暖房ボイラーの不凍液交換・補充は自分で出来る?|不凍液交換の方法

不凍液交換・補充は自分で出来る? 暖房ボイラーの不凍液交換のやり方

 

暖房ボイラーを使用している場合は、定期的なメンテナンスで「不凍液の補充、交換」という作業が必要になります。

意外と知られていませんが、家中の暖房回路を循環している不凍液も経年劣化するため、必要に応じて総入れ替えが必要です。本記事では、暖房ボイラーにおける不凍液交換の疑問で、特に多いものをピックアップしました。

 

  • 暖房ボイラーの不凍液交換、不凍液補充って自分で出来るの?
  • 不凍液交換、不凍液補充が必要な理由は?
  • 交換、補充作業を業者に依頼した際の料金ってどれくらい?
  • 不凍液交換をしなかった場合の弊害は?

 

不凍液交換、不凍液補充にまつわる不安や疑問があるという人は、ぜひ参考にしてみてください。

 

給湯器博士、今回もよろしくお願いします!

こちらこそよろしくお願いします!

 

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暖房ボイラーの不凍液交換、不凍液補充って自分で出来るの?

不凍液交換・不凍液補充って簡単? ユーザー自身でも出来るもの?

 

A.設置状況と個人のスキル(所有器具)による

どの配管が不凍液の往き・戻りかが判断できる
現場の配管を見て「密閉方式か半密閉方式か」の区別ができる
配管内部の不凍液を押し出すための工具を持っている
暖房端末のエア抜き作業ができる
半密閉式の石油暖房機なら非常に簡単
とりあえず上記の条件を満たしていれば、不凍液交換を出来るレベルです。こんなことを言ってしまうと身も蓋もありませんが、設置状況が複雑ではなく、そして実際に不凍液交換をしようとしている人がそれなりのスキルを持っていれば十分に可能です。

設置状況の複雑さは、暖房端末の種類や数、規模に左右されます。

「パネルヒーターが2~3枚/床暖2箇所だけ/浴室乾燥機のみ」などは単純なので、個人のスキル次第では十分に可能でしょう。一方で「パネルが10箇所以上/使用している暖房端末が3種類以上」などの場合は、非常に複雑な部類と言えます。

 

密閉式とか半密閉式とか、どこをどう見たら区別できるか分からないよ。

密閉式の場合は意図的に配管内の圧力を高めているので、配管のどこかに圧力ゲージが取り付けられていて、膨張タンクと呼ばれる金属製のタンクもどこかに用意されているはずです。
もちろん暖房ボイラーの近くにある場合もあれば、床下などの目立たない部分に設置されている可能性もあり、このあたりの判断が出来る人でなければ不凍液の交換作業を自分で行うのは難しいと思います。

 

不凍液交換の作業内容とは?

  1. 不凍液の往き配管に給水を繋ぎ、不凍液の戻り配管に排水管を繋ぐ
  2. 往き配管に水を送って暖房配管を水で洗浄すると同時に、配管内の古い不凍液を洗い流す
  3. 新しい不凍液を暖房配管に流し込み、洗浄した際の水が排出されて不凍液で満たされたら完了

 

不凍液の交換作業を簡単に表現すると、上記のような内容になります。古い不凍液を水で押し流し、その後で水を不凍液で押し流すという単純な作業です。

水で配管洗浄をする際は給水管を接続すれば水圧で流せるのですが、不凍液でそれをやる場合は何かしらで加圧してやる必要があるので、それ相応の機材や道具がないと難しいでしょう。暖房配管の規模に応じて手押しポンプで十分な現場もあれば、電動ポンプでなければ厳しいという状況も考えられます。

 

半密閉式配管かつ必要機材がある場合は交換可能かも

暖房配管には「密閉式/半密閉式」の2種類が存在します。

それぞれの違いは暖房配管が密閉されているかどうかという違いなのですが、基本的には「お家の暖房配管の規模、使用している暖房端末の数や種類」によって異なります。

 

密閉式:不凍液が劣化しにくい、不凍液の補充が難しい、暖房端末の数が多い場合や1Fと2Fの両方に暖房端末があるという場合に多い
半密閉式:不凍液が劣化しやすい、不凍液の補充が簡単、温水コンセントが設置されている場合は半密閉式の可能性大

 

密閉式は文字通り密閉されていて、暖房配管内に一定の圧力が加わっている状態なので、不凍液が空気に触れる機会がほとんどありません。そのため不凍液が蒸発するということもなければ、劣化するスピードも半密閉式に比べると遥かに遅く、不凍液の交換作業に関してもそこまで神経質になる必要はないです。

一方で半密閉式の場合は、不凍液が常に空気に触れている状態なので密閉式に比べると遥かに劣化しやすいです。その代わり不凍液の補充がユーザー様でも簡単に行える点や、温水コンセントを必要とする暖房端末で使用できるなどのメリットがあります。

 

半密閉方式の不凍液補充は素人でもOK(石油暖房ボイラーの場合)

半密閉方式の現場では不凍液の交換はさて置き、不凍液の補充であれば誰でも簡単に行えるでしょう。不凍液方法のやり方はリザーブタンクに不凍液を入れるだけでOKです。

リザーブタンクというのは、暖房ボイラー内にある予備タンクのことで、外側から見ても中が覗けるようになっていることがほとんどです。

 

 

上記画像の赤丸部分に見えるのがリザーブタンクです。このリザーブタンクが空の場合はエラー043が出てしまうので、最低ラインくらいまで追加してあげるといいでしょう。

一見すると非常に低い位置にFULLがあるように見えますが、これは「膨張した不凍液の逃げ場にもなるから」で、FULLを超えるような位置まで不凍液を入れてしまうと、暖房配管内の不凍液が熱くなって膨張した際にリザーブタンクから不凍液が溢れてしまう可能性があります。

 

不凍液補充方法

 

ユーザー様の方で不凍液の補充が可能な機種の場合、取扱説明書に「不凍液の補充の仕方」が掲載されています。ここでは暖房ボイラーが熱を持っていない状態(圧力が高くなっていない状態)に、ラジエーターキャップを取り外して不凍液を補充する方法が案内されていますがこれは非常に危険です。

もし暖房ボイラー内の圧力が高かった場合、キャップを外した瞬間に火傷するほど熱くなった不凍液が噴水のように溢れてくる可能性があります。

暖房ボイラーが正常な状態であれば、キャップ横の小さな穴に補充してあげるだけでもリザーブタンクに補充され、そのリザーブタンクから暖房ボイラーが補充するような仕組みになっているので、キャップではなくリザーブタンクに補充する方法がおすすめです。

 

ガスの暖房ボイラーだと不凍液の補充って難しいの?

ガスも基本的には一緒です。ただしガス給湯暖房機の場合は、不凍液の補給口がボイラー内にあることが多く、フロントカバーを開けなければ補給口が確認できません。それにカバーを開けたところで大半のユーザー様は、配線や部品だらけの状況から補給口を見つけることも難しいんじゃないかと思います。

じゃあガス給湯暖房機を使っている人は、E043が出たらすぐにメーカーに連絡しなきゃいけないのか。

ガスも暖房専用機なら不凍液の補給口がボイラー外部に設けられている場合もあります。それにガス給湯暖房機の多くは自動補水システムがあるので滅多にE043を出しません。もしそれでもE043が出る場合は、施工ミスやもっと重大な故障の可能性があるので、メーカーに連絡してください。

もしボイラーを施工したのが1年以内なら、メーカーよりも先に施工店に連絡した方が良さそうだね。

 

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不凍液交換、不凍液補充が必要な理由は?

不凍液交換・不凍液補充が必要な理由 不凍液は劣化すると凍る

 

不凍液交換が必要な理由

不凍液には「凍らない、配管を腐らせない」という2つの性質があります。不凍液が劣化することでこの2つの性質が徐々に低下していき、末期には「凍る、配管を腐らせる」というようになってしまうことが考えられるので、そうなる前に不凍液交換が必要です。

不凍液が凍るようになってしまうと、暖房を絶えず動かしていないと暖房配管の凍結破損の可能性が出てきてしまいますし、配管を腐らせるようになった場合も同様です。

 

これらの場合は暖房ボイラーの修理や交換だけでなく、お家全体の暖房配管の修繕作業に発展する可能性があり、大規模な工事になることが予想されます。

不凍液交換も費用は決して安くありませんが、これをケチった場合の最悪な結末として「お家の壁や床下に隠れている暖房配管の腐食や漏水」に繋がり、それを修理するとなれば不凍液交換の何倍もの費用が掛かってしまうことは理解しておくべきでしょう。

 

不凍液の交換ってどれくらいのスパンでやるのがいいの?

理想を言えば早ければ早いほど望ましいですが、各メーカーが案内しているのは「3年に1度」です。
ただしこれは理想論のような気もするので、家庭用ボイラーの寿命が7年~10年だということを考慮すると、折り返し時点の4年目か5年目には総入れ替えすればいいでしょう。

 

不凍液補充が必要な理由

暖房配管に限らず、給水・給湯配管や風呂配管もそうですが、水通路部では空焚きなどを問題視しているので、不凍液が不足してしまうことによる空焚きやエアがみを防止するため、常に不凍液量を測定しています。

不凍液が不足するとエラー043を表示して暖房機が動作しなくなるので、不足分を補充してあげることが必要です。

 

ただしこの場合は「古い不凍液に新しい不凍液を混ぜている」というだけなので、古い不凍液は古いままですから、根本的な改善にはなっていません。

補充はあくまで応急処置です。暖房配管内の空気の兼ね合いもあるので一概には言えませんが、基本的には「不凍液量が不足する→それなりに内部の不凍液も劣化している」というケースが多いはずなので、補充すればOKと考えるのではなく、総入れ替えも検討することをおすすめします。

給湯暖房機のエラー043は暖房水不足|応急処置可能でも注意あり!

 

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不凍液の交換、補充作業を業者に依頼した際の料金

不凍液の交換、補充作業 業者に依頼した際の料金はどれくらい?

あくまで弊社が考える標準作業の料金です。実際には現場や使用端末によっても異なるため、あくまで目安として捉えてください。

 

不凍液の補充・交換は、各家庭の暖房配管状況によって大きく変わるので一概には言えないのですが、基本的には「半密閉式よりも密閉式の方が料金は高くなる傾向が強い」です。

その理由は密閉式の場合は例外なくエア抜き作業が必要となり、単なる補充の場合でも必ずどこかの配管を外して加圧する必要があるからです。

 

一方で半密閉式の場合は、床暖房やファンコンのみの使用であればエア抜き作業が要らないことも多く、補充に関してはリザーブタンクに注ぐだけでOKだったりもします。

最終的な判断は各担当スタッフによるかと思いますが、半密閉式の不凍液をリザーブタンクに入れるだけで何千円もの作業料は取りにくいと判断するケースも多く、弊社では「簡単な補充作業なら、不凍液代金と出張料だけ」とすることも珍しくありません。

 

 

不凍液にも色々種類があって安いのもあれば高いのもあるみたいだけど、安い不凍液でお願いすることもできるの?

入れ替えの場合は融通が利くかもしれませんが、やはりメーカー純正の物を使用した方が、何かあった際にそのせいにされないという意味でおすすめです。
そして補充の場合は、違う不凍液と混ぜることはできません。

 

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最後に

不凍液の劣化や不足が原因の不具合は非常に多いので、特に「暖房機が故障すると死活問題だ」という寒い地域にお住いの方は、不凍液のメンテナンスにも気を配ってほしいと思います。

不凍液の品質を高く保つことで、温まるための熱伝導率も良くなりますし、それが原因の故障も防げますし…。不凍液の交換作業自体は高い費用が掛かるものの、トータル的には決して損はしないことが多いはずです。ぜひ検討してみてください。