知らないと損をする給湯器の寿命の話|修理か交換かの正しい判断方法

知らないと損をする給湯器の寿命の話|修理か交換かの正しい判断方法

 

突然ですが、みなさんは給湯器の寿命、耐用年数が何年か知っていますか?

 

「我が家の給湯器は10年くらいで買い替えたなぁ…」

「お隣の佐藤さんは20年使ったって」

「うちは15年くらいで部品が取れないって言われちゃった」

 

このように様々な意見が出ることと思います。

 

10年以内に壊れてしまって買い替えたという人もいれば、15年ほど使えたという人もいるでしょう。中には20年使えたという人もいるかもしれませんね。

さて、そんな給湯器の寿命・耐用年数は「設計標準期間を10年」として定められています。そして給湯器メーカーとしては大手のノーリツでは、給湯器の寿命について「7年から10年前後」と案内しているようです。

 

「7年と10年じゃ随分開きがあると思うけど…」

「設計標準期間って何?」

 

そんなみなさんの疑問を解決していきたいと思います。

本記事を読み終わる頃には「給湯器の寿命・耐用年数に関する正しい知識」「給湯器を修理するか交換するかの正しい判断方法」「給湯器交換のベストなタイミング」について分かるようになります。ぜひ、最後までお付き合いください。

 

給湯器博士、今回もよろしくお願いします!

こちらこそよろしくお願いします!

 

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給湯器の寿命・耐用年数は10年

給湯器の寿命・耐用年数は10年 設計基準は1日1時間が10年間

 

給湯器の寿命を大雑把に言うと「10年」という表現になる

ズバリ言うと、給湯器の寿命は10年です。しかしサザエさん一家と一般的な老夫婦が住む家の2つの給湯器が、同じ10年の寿命とは到底思えませんよね?

「給湯器の寿命ってどれくらいですか?」という質問は非常に多く、その度に「使用環境や使用頻度に大きく左右されるので一概に言うことは…」という回答をするのは、得策ではありません。

 

多くの人は「使用頻度によって給湯器の寿命が大きく変わるということは百も承知で、それでも大体の目安が知りたいという意味で質問をしてくることがほとんどです。

そういう方への答えとして「10年」という目安を用意しています。そしてこれは厳密に言うと寿命ではなく、設計標準期間と呼ばれるものです。

 

設計標準使用期間とは?

給湯器や瞬間湯沸かし器、風呂釜、ビルトイン式食器洗い機などは、長期使用製品と呼ばれるものです。長期使用製品には設計標準使用期間と呼ばれる「これくらいは使えて然るべき」という基準が設けられています。

給湯器メーカーのノーリツの公式ホームページでは、設計標準使用期間について「安全上支障なく使用できる期間」としていました。

 

製品を長期で使用していると経年劣化が生じるため、安全上支障なく使用できる期間として、「(※1)設計標準使用期間(または 設計上の標準使用期間)」が定められている製品があります。
その期間を過ぎると、経年劣化により事故が発生するおそれがあります。

長期使用製品に関する制度

 

設計標準使用期間の計算方法(給湯器の寿命=10年の根拠)

給湯器の寿命のおおよその目安が10年ってことは分かったし、人によってそれが変わってくるってことも分かったんだけど、なんで10年って答えてるの?

給湯器には「標準的な使用条件」というものがあります。いわゆる平均値のようなものです。1日の使用時間や設定温度、使用頻度などの項目1つ1つの平均値を考えていくと10年という数字になるので、給湯器の寿命は10年と言われています。

ちなみに標準的な条件に付いては以下で表にまとめてみたので、そちらをご覧ください。

 

【標準使用条件:給湯側の条件】

項目条件
家族構成4人世帯
季節中間期(春・秋)
気温・湿度20℃・65%
電源電圧/周波数AC100V/50・60Hz
給水温度15℃
出湯温度40℃
1日使用量456リットル
1日使用時間1時間
1年使用日数365日

 

【標準使用条件:ふろ側の条件】

項目条件
家族構成4人世帯
季節中間期(春・秋)
気温・湿度20℃・65%
電源電圧/周波数AC100V/50・60Hz
給水温度15℃
沸き上がり温度40℃
入浴回数毎日
沸き上がり回数1回/1日
追い炊き回数2回/1日
浴槽水量180リットル

 

標準使用条件と言われていますが、現代社会でこれを標準と呼ぶのには少しシビアな基準のような気がしています。給湯側の条件で1日の使用時間が1時間となっていますが、1時間以上使用しているご家庭はかなり多いという印象です。

単純に考えて1日1.5時間使用していた場合の機器寿命の目安は7年半になるので、ノーリツのコンタクトセンターで案内している7年~10年という目安は非常に的を射た数値と呼べるかもしれません。

大人数の家族だったら1日に2時間使っているお家もありそうだな。そしたら5年の寿命ってこと?…サザエさん一家だと8人家族だから、もしかしたら5年ごとに給湯器を交換しているのかもしれないな!

気持ちは分かるけど、タマは数に入れなくてもいいですよ。

 

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勘違いしてはいけない!設計標準使用期間と無料修理保証期間の違い

勘違いしてはいけない!設計標準使用期間と無料修理保証期間の違い

 

設計標準使用期間(以下:機器寿命とします)は上の方でも触れたように、平均的な条件下における使用期間です。ユーザー様によっては、この機器寿命と無料修理保証期間を混同している人も少なくありません。

無料修理保証期間は「この期間に修理が必要な不具合が生じた場合は、メーカーが保証をするという期間」のことです。言い方を変えると「いくら機械には当たり外れがあるとは言っても、さすがにこれは酷いんじゃない?」という稀なケースを保証するものとなっています。

 

機器寿命は「この期間を超えて使用すると、経年劣化による発火・けが等の事故に至るおそれがある」と言われている、いわば限界値です。

ユーザー様によっては「機器寿命が10年と言うなら、10年以内に壊れたんだから無料で直せ(保証しろ)」ということをおっしゃるケースもあります。

しかし給湯器メーカーや法令の見解としては「この期間まで使用できる」というものではなく、厳密には「これを超えての使用は危険です」という目安なので注意してください。

 

我が家の給湯器、ちらっと見たら12年経ってるんだけど…。これ急に発火したりする可能性あるの?

最近の給湯器は複数の安全装置が付けられているので、本当に危険な状態になる前に一切作動しなくなるよう設計されています。

10年を超えたからと言って事故に繋がった例はありませんが、中には15年以上使えたという例がいくつもあり、それを聞いた多くの人はそれを基準に考えてしまう傾向が強いです。

不安感を煽るような表現になっているのは「10年以上使えるケースも当然ありますが、それは決して普通というわけではありませんよ!」という意味も込められているのではないかと思います。

急に発火したらどうしようかと思ったから安心したよ。

でも次にどこか故障したら、修理じゃなくて交換を検討した方が良さそうだね。

 

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給湯器を修理するか交換するかで悩んだら…

さっきは「次壊れたら修理じゃなくて交換する」って言ったけど、もし1万円~2万円くらいで直るような故障だったら、修理した方が良さそうな気もするなぁ。

確かに多くのご家庭で似たように悩んでいるユーザー様が多いです。そこで、ここからは「これなら修理がおすすめ!/これなら交換がおすすめ!」という分かりやすい例を挙げたいと思います。

 

ここからは実際に給湯器を修理、交換作業を仕事にしている私の基準で「これなら修理じゃなくて、新品の給湯器に買い替えた方が賢明です」という基準を紹介します。
あくまで私の考える基準であり「私ならこうする!」という例です。これが正しい選択だというわけではありませんので予めご了承ください。

7年以上の給湯器で高額修理になる場合は交換がおすすめ

もし「7年以上使用した給湯器で、修理をしたら7万円以上の費用が発生するという場合」は、修理せずに新品の給湯器に交換するのがおすすめです。

7年という使用年数については、私自身が普段の仕事で機器寿命について「7年~10年」と答えていることや、本記事でも説明した設計標準使用期間が根拠となっています。

7万円という修理費用については、主要部品を2つ交換すると到達する金額の目安です。

 

私は「7年を超えた給湯器については、いつ壊れてもおかしくない」と考えているので、今回修理しても次から次へと修理が続いてしまう可能性が高いと思っています。比較的安く済む修理内容であれば1回くらい修理しても良いと思いますし、今回高額修理をすることで何年か使用できるのが確実になるのであれば、修理も選択肢になるのですが…。

高額修理をしても今回修理しなかった部分がすぐに壊れてしまう可能性が残ってしまうのであれば、リスクを取ってまで修理することにメリットはないと思います。

 

確かに別の場所が壊れちゃうって理屈は分かるけど、新品に交換するとなると何十万円ってお金がかかるじゃん?

交換するのに越したことはないってのは分かる。分かるけど、やっぱそう簡単に踏ん切りは付かないよね。

踏ん切りが付かないという人は、給湯器に対して「高い買い物」だという認識があるからだと思います。

私も新品で買ったら40万円するって言われたら10万円以下の修理を考えたりもしますが、意外と給湯器って安く購入できるんですよ。

カタログ見たことあるけど、ゼロがいっぱい付いてたよ!

この記事の後半では「給湯器を安く買う方法」なんかも案内させていただきますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

これまでに高額修理をしている場合は一部例外

修理か交換かを悩んでいるユーザー様の中には「以前に高額修理の経験があり、今回また故障してしまった」というケースもあると思います。具体例を挙げると「1年前に10万円近い修理をし、今回7万円ほどの修理が必要になった」という場合です。

私としてはこうなってしまうことが怖いということもあって、高額修理をすることはおすすめしていないのですが、さすがに1年前に10万円近い修理をしている場合は、ある程度の部品が新品になっていることでしょう。そして今回の修理で、ほとんどの重要部品は新しくなることが予想されます。

給湯器には「壊れやすい部品、経年劣化の影響を受ける部品、経年劣化の影響をほとんど受けない部品」など様々な部品があります。さすがに15万円以上の修理費用をかけているのであれば、そうそう簡単には壊れない可能性の方が高い気もするので、このような場合は例外です。

 

15万円も修理に使うのは嫌だけど、それで長く使える可能性が出てくるなら、ずっと修理し続ければ新品を買うよりもお得になったりしないかな?

たまにそうやって考えるユーザー様もいますが、残念ながら給湯器の部品はいずれ無くなってしまう宿命です。

部品の保有期間は「その機種の生産が終わってから10年間」となっているので、早いものだと11年や12年で部品が無くなってしまう可能性もあります。

場合によっては「部品があれば数千円で直せるけど、その部品が手に入らない」なんて展開も十分に考えられるので、タイミングによっては思い切って決断することが重要です。

 

2万円以下の修理1回ならOK

給湯器の使用年数に関係なく、もし「ダメ元で修理がしたい」という気持ちがあるのであれば、2万円以下の修理1回ならOKだと思います。

理由としては、ちょっとした安全装置や水メカ部品などを1点交換すると2万円くらいの修理になるからです。これくらいなら賭けとして考えても悪くありませんし、失敗した時のリスクも低いと言えるでしょう。

ただし注意して欲しいのは、引き際を見失わないようにする必要があるということです。

多くのユーザー様は1度修理をした直後に別の場所が壊れてしまうと、引き際を見失ってしまう傾向にあります。「もう1回/あと1回」を言い始めてしまうとキリがなくなってしまうので、このような場合は「最初で最後の1回」と決めて決断してください。

 

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給湯器の値段・価格について

カタログに表示されているのは、あくまで希望小売価格

 

こちらはノーリツで取り扱われているガス給湯器のカタログを一部抜粋したものです。屋外壁掛け用のフルオート給湯器が386000円、同じタイプの据置型が397000円となっています。

ここで提示されている金額は、あくまでメーカの希望小売価格です。希望小売価格とは「メーカーが『この金額で売って欲しいと考える金額』であり、実際に売る人は自由に値引きしても良い」というものです。

 

分かりやい例を挙げましょう。みなさんはロッテのアイスクリーム「爽 バニラ」を知っていますか?四角い大きめのケースに入っていて、シャリシャリした食感が特徴のバニラアイスです。

スーパーなどでは100円以下で購入できるのが当たり前のこのアイスクリーム、希望小売価格はいくらだと思いますか?…答えは「税抜き140円(2020年11月時点)」です。

これと同じで、カタログだけを見ると40万円近いこれらの給湯器も、あくまでノーリツが「この金額で売って欲しい」と言っているだけの建前の金額なので、実際に安く買おうと思えば半額以下になるケースも少なくありません。

 

安い業者の探し方!少しでも安く給湯器を交換する方法

給湯器交換の安い業者を探す基本は以下の2つです。

  • 複数社から見積もりを取って比較する
  • 給湯器交換ができる業者を探すフィールドも複数持つ

 

複数社から見積もりを取るというのは基本中の基本です。色んな業者の価格帯を見ることで、給湯器交換で発生する費用の相場が分かります。

2つ目に挙げた「給湯器交換ができる業者を探すフィールドも複数持つ」というのは、近所の水道屋さんばかりから探さずにガス屋さんや工務店、時にはインターネットで探してみる等、色んな方法で施工業者を探すという意味です。

近所の水道屋さんばかりを候補にしていても、ほとんど似通った金額になると思います。場合によっては水道屋さん同士に繋がりがあったりして、お互いの名誉のために価格競争しない可能性も否定できません。

 

そこで水道屋さんは1社か2社くらいにして、手広くやっている設備屋さんを頼ってみるとか工務店さんを頼ってみるとか…。頼る業者のフィールドを変えることで、金額面での失敗するリスクを下げることが可能です。

ちなみにインターネット業者に関しては、格安とか業界最安値という言葉を使って集客している悪徳業者が増えてきているようで、度々ニュースにもなっています。

 

確かに給湯器は取付作業も含めた金額だからね。いくら安くても変な取り付け方をされたら嫌だし…。でも取り付け方なんて頼んでみないと分からないような気もする。

消費者センターに寄せられる苦情には「部材の再利用」などが寄せられているようです。煙突などの交換が必要な部材を再利用して、交換見積もりの金額を抑えているみたいなので、他の業者と見積もりを比べる時に「どの項目にいくら計上されているか」までチェックすることをおすすめします。

 

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最後に

給湯器は生活必需品なので、万が一のことを考えると思い切って交換した方が良いケースも多いです。修理だと10万円、交換だと40万円と言われてしまうと修理になびく気持ちも分かりますが、業者さんによっては半額以下で交換してくれるケースも十分に考えられます。

何度も修理を繰り返したところで部品供給はいずれ終わってしまいますし、買い替えるお金がないと言って簡単に諦められるような存在でもありません。

機器寿命を迎えてしまった給湯器には「お疲れ様」と告げて、役目を終わらせてあげることも重要です。修理をするにしても交換をするにしても、後悔をしないように最善の判断ができるよう心から祈っています。