PR

お風呂の循環口からの水漏れ!?|ユーザーができる対策と修理の内容

 

「お風呂の水が徐々に増えている」

「水を抜いた状態でお風呂の栓をしていたら、時間が経ったら水が貯まっていた」

「浴槽内の循環口(循環フィルター)を見てみると、少しずつ水が出てきている」

 

こんな症状の場合は「注湯電磁弁、湯張り電磁弁の故障・不具合」という可能性があります。場合によってエラーが出ますが、多くの場合でエラーは出ません。

今回は給湯器の「浴槽内の循環口から水が出てくる、水漏れしてくる」という故障に注目して、症状や対処法について分かりやすく解説していきたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。

 

給湯器博士、今回もよろしくお願いします!

こちらこそよろしくお願いします!

スポンサーリンク

循環口から水が出てくる原理・仕組み

お風呂の循環口から水が出てくるパターンについて

 

お風呂の循環口から水が出てくるパターンは主に2パターンです。

  • お風呂配管やお風呂回路に残っているお湯が、何らかの原因で出てくる
  • お湯張り部品の弁が水漏れしていて、それがお風呂配管を伝って浴槽側に流れ出ている

 

前者であれば流れ出てくる湯量は、どんなに多くても5リットル以下じゃないかと思うので、もし際限なく水が出てくるという状況であれば、間違いなく後者でしょう。

通常お風呂のお湯は「給湯器→追い炊き配管(+)→浴槽→追い炊き配管(-)→給湯器」というカタチでグルグル循環しています。

衛生的にも、お風呂のお水と飲み水が混ざってしまうということは許されないので、給湯回路と風呂回路は別々になっていて、お湯張り機能が付いている給湯器の場合のみ一方的に「飲み水と同じ綺麗な水(お湯)を一方的に風呂回路に流せる」という機能があります。

 

これを担当しているのが「注湯電磁弁/湯張り電磁弁」と呼ばれている部品です。

呼び方はメーカーによって異なりますが、どのメーカーでもネーミング的に「お風呂にお湯を張る部品なんだな」ということが、直感的に理解できる部品名となっています。

 

注湯電磁弁、湯張り電磁弁の役割

注湯電磁弁の役割は至ってシンプルで「お湯張りボタンを押した時だけ開き、お湯張りが完了したら閉まる」というだけの部品です。この時、なんらかの原因によって完全に閉じ切れていないという場合に「循環口から水漏れ」という症状になります。

閉じ切れなくなる原因には、水漏れを防止するためのパッキンのようなものが劣化していたり、弁そのものの閉じる力が弱くなっていたりなど、経年劣化による原因がほとんどです。ごく稀に、ゴミが噛んでいるというケースがあります。

 

ゴミが噛んでいただけの場合は、何度かお湯張りをしていれば自動的に元に戻る(弁が閉じるのを邪魔していたゴミが流れてしまった場合など)こともありますし、部品の分解清掃で直るケースもあります。

しかし、これ自体は極めて稀なパターンなので、基本的には注湯電磁弁の部品交換になるでしょう。注湯電磁弁自体はシンプルな仕組みなのですが、構造はそこまで単純でもないため「パッキンを交換するだけで直る」というものではありません。

 

スポンサーリンク

エラーの番号は?エラーが出ないことってある?

ところで給湯器博士、注湯電磁弁が悪い場合ってエラーは出ないの?水漏れが微量だと気付かないことも多いし、水道料金がちょっとずつ高くなっちゃって困るんだよ。

給湯器博士

注湯電磁弁の故障の中でも「電圧が掛かっているのに開かない」とか「一向にお湯の流れが検知できない」という場合はエラーを出します。

しかし今回のケースのように「注湯電磁弁は閉じているつもりだけど、微妙な隙間から水が漏れている」というケースではエラーが出ないことの方が多いです。

ちなみに注湯電磁弁が出すエラーは562ですが、この場合のほとんどは「ふろ自動ボタンを押してもお湯張りが始まらない」等の分かりやすい症状であることが多いですね。

 

給湯器には基本的には水漏れによって出るエラーはほとんどなく、水漏れした結果別の部品に悪影響を与えた場合、悪影響を受けた部品がエラーを出して水漏れも発覚するという感じです。

もちろん部品そのものから水が漏れている場合であれば、給湯器本体からもポタポタ水が漏れてくるので、お家の中に設置されている給湯器ならすぐ異変に気が付くことがほとんどだと思います。

 

一方で、注湯電磁弁のように「普段あまり見ない部分、水に濡れてても違和感を感じない部分に水漏れしている」という場合だと、ある程度の量の水が漏れていないと気付かないという人も少なくありません。

特に前日の残り湯を2日連続で使用するという場合なんかだと、あからさまに溢れているという場合でなければ、気付かないという人も多いのではないかと思います。

 

スポンサーリンク

ユーザー側での対処法

水漏れを止めるには給湯器への入水を止めればOK

 

設置状況によって変わりますが、給湯器に入っていく水を止めてあげることで、循環口からの水漏れを止めることが可能です(上記の画像で言えば赤丸で囲んだ緑色のバルブがそれに該当します)。

これを閉じてしまうと、各蛇口のお湯側を開けてもお湯どころか水も出てこないという状況になってしまうので、お湯を使わない時(寝る時や出かける時)はここを閉めておくことで、水漏れを防ぐことが可能です。

 

お風呂の栓は閉めておくように習慣付ける

 

最近の浴室は、お風呂の栓を解放しっぱなしでも臭気や虫が上がってきたりしないので、栓を開けっ放しにしているという人も多いのではないでしょうか?

そういう場合だと、循環口から微量な水漏れがあっても勝手に流れていってしまうので、お風呂の栓を閉めようとした時に「あれ?なんか濡れてない?」と気付かなければアウトです。

一方でお風呂の栓をしていれば、循環口から水が漏れていれば徐々に貯まっていくので、個人的には「お風呂を洗った後は空っぽの浴槽に栓をしておく(お風呂にお湯張りをする時にそのまま、あるいは軽くシャワーで流してからお湯張り)」がベストかと思います。

 

循環口からの水漏れに関しては入浴剤の影響はなし

我が家は入浴剤が好きだから、それで注湯電磁弁が壊れちゃったのかなぁ…。

いえ、入浴剤の使用と注湯電磁弁は関係ありませんよ。注湯電磁弁はあくまで「普通のお湯をお風呂回路に流すための部品」なので、入浴剤の影響は一切受けません。

しかし水分に含まれるミネラル分が多い水質だったり、地下水を使用しているという現場の場合だと、割と早くに壊れてしまうことが多いです。

 

この手の不具合が出ると、ユーザー様によっては「入浴剤の影響で壊れたのかな?」と思う人が多いのですが、注湯電磁弁の故障に関しては入浴剤の影響は全く関係ありません

 

スポンサーリンク

注湯電磁弁を修理・交換する場合の修理内容と修理費用

部品代は機種によって大きく変わりますし、症状によっては他の不具合と併発している可能性もあるため、ここで示す修理費用はあくまで1つの目安としてお考え下さい。

 

「循環口から水が漏れてくる」という症状の点検内容

  1. 循環口からの水漏れを確認する
  2. 給湯器の入水を止め、循環口からの水漏れが止まるかどうかを確認する
  3. 水漏れが止まったら注湯電磁弁を交換し、水漏れが止まったかどうかを確認する

 

お湯張りの直後などの場合は、配管内に残っている水が出てくるケースが考えられるので、ずっと水漏れしているというシチュエーションが重要です。

そのため実際に循環口から水が漏れているのを確認したうえで、ユーザー様にもしっかりと確認します。

一時的な水漏れであれば、給湯器の種類によっては「お湯を使う(給湯回路が温まる)とお風呂配管内に残っている水も膨張して少し体積が増える→ちょっと溢れてしまって一時的に漏れているように見える」ということがあるので、一時的なものではなくずっと水漏れしているかどうかの確認が重要です。

 

注湯電磁弁の修理費用

  • 部品代:15000円以下
  • 作業料:10000円以下
  • 出張料

 

機種にもよりますが注湯電磁弁は安いものだと5000円以下、高いものでも15000円以下で済むので、トータル的な修理費用は15000円~25000円前後になると思われます。

微妙に水が漏れている場合、パッキンなどを交換して簡単に水漏れを止めることができると考えるユーザー様もいますが、そんな応急処置では完全に直らないことが多いので、基本的には注湯電磁弁を丸ごと交換することになるでしょう。

 

スポンサーリンク

最後に

ガス給湯器の故障の中では比較的多い故障内容です。

気付くのに遅れれば遅れるほど、水道料金が高くなってしまう可能性が残りますし、給湯器の修理の中では比較的安い部類なので、早めの修理対応をおすすめします。