給湯器の凍結防止対策完全マニュアル|正しい凍結予防のやり方と凍結させてしまった時の注意点

給湯器の凍結防止対策完全マニュアル 凍結を予防するための注意点

 

北海道・東北地方を始めとする寒い地域に住んでいる人にとっては、給湯器の凍結は無視できないほどの大きな問題と言えるでしょう。

配管が一時的に凍結してしまうくらいなら大きな問題には発展しないでしょうが、水は凍ると膨張するので配管に亀裂が入ったり、または給湯器内部で凍結してしまうと部品が破損してしまうことも考えられます。

その凍結が解消されると、今度は破損した部品から大量に水漏れしてきてしまうため、早急に部品交換をすることが必要です。

 

しかし実際に給湯器の修理依頼で来る凍結案件の9割以上は「本人の行動次第で充分に防げた内容」と言っても過言ではありません。うっかり配管を凍らせてしまわないよう、各人の注意が必要です。

今回は「給湯器の凍結防止対策完全マニュアル」と題して、給湯器配管を凍結させないためのアドバイスについてご紹介したいと思います。

 

給湯器博士、今回もよろしくお願いします!

こちらこそよろしくお願いします!

 

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給湯器が凍結してしまう原因と凍結までの流れ

意外と多くの人が勘違いしているのですが、雪国を中心に使用されている給湯器の内部には凍結防止ヒーターと呼ばれる部品が搭載されており、給湯器内部のヒーターは給湯器が通電しているだけで一定温度以下になると自動的に動作します。

つまりリモコンの電源を入れておく必要もなければ、ユーザーがあれこれ手を掛ける必要も一切ありません。それでも給湯器が凍結破損してしまう原因には、次のようなものが挙げられます。

 

ブレーカーを落とした状態で長期不在
ブレーカーは入っていたが、停電状態で通電していなかった
給湯器の特定部品が故障し、凍結予防が作動しなかった

 

特に多いのが1番上の「ブレーカーを落とした状態での長期不在」です。学生さんや単身赴任で1人暮らしをされている人に多いような気がします(1番多いのはアパート等を管理している大家さんや住宅管理会社がやらかしてしまうパターン)。

正月に帰省するときに電気をそのままにしていく不安から、ついブレーカーを落として水抜きをしなかった際に給湯器内部が凍結破損してしまうことが多いです。

 

あとは長らく未入居だった賃貸物件で、水抜きを忘れていたために入居者が決まって通水をしたら、給湯器から水が漏れてきたというケースも少なくありません。

この時ブレーカーをそのままの状態にしていくか、あるいはしっかり水抜き作業ができていれば凍結破損はしなかった可能性が高いと言えます。

 

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給湯器を凍結防止・凍結予防するための基本事項

 

通電していれば給湯器内の凍結予防機能が自動的に作動する

上の方でも軽く触れましたが、給湯器の凍結予防は「給湯器にちゃんと電圧が掛かっていれば(給湯器のコンセントプラグが差さっていれば)、凍結予防はしっかり作動する」ので心配いりません。

これまで私が見てきた現場では、凍結予防がしっかりと作動している状態であれば、凍結予防に繋がってしまったケースは見たことがないです。たまに「凍結を防ぐヒーターが故障してしまった」などの例はありますが、これについては防ぐのは難しいでしょうし、確率としては非常に低いものになります。

 

大半が「ブレーカーを落として水抜きをしなかった」という原因です。

残りは「停電になって水抜きをしなかった」という人為的なミスだったり、それ以外は「温度検知の部品の故障/ヒーターそのものの故障/基盤の故障」などの不運なものも可能性としては残りますが、割合としてはごく稀な話と言えます。

 

水抜きのやり方、具体的な水抜きの方法

最も効果的な凍結対策・凍結予防策は「水抜き」です。

最近の新築現場では壁パネルに氷止めが用意されているお家も少なくないので、そういうお家の場合は「壁パネルの氷止めボタンを押して各蛇口のお湯側を開けるだけ」という簡単作業となっています。

手動で水抜きを行う場合も基本的にやることは一緒です。「給湯器への入水を止めた状態で、配管内の水を排出する」ことを水抜きと言います。理屈を理解していれば、どこを止めてどこを開放すればいいかは一目瞭然ですが、全く何もわからないという状況だとそれも難しいでしょう。

 

給湯器の凍結について – リンナイ

 

こちらはリンナイの公式サイトに掲載されていた、凍結防止のための水抜きの手順です。ここにリンナイ製のガス給湯器の水抜き線一覧が掲載されています。

ここの「水抜き栓を全て解放すればOK」です。そのうえでお家の中の蛇口のお湯側も開けて、配管内に空気を入れれば言う事はありません。

最後は給湯栓や給水栓を開放したままでも閉めた状態にしても構いませんが、通水する際は忘れずに栓を元に戻してから通水しないと、大変なことになるので注意しましょう。

 

自分でやってみようと思ったけど、うちの給湯器と微妙に形が違うから、どれがなんの水抜き栓か分からないよ。

そういう人はご自身が所有する給湯器の取り扱い説明書を見ていただければ、細かな説明が書かれていると思います。
どうしても自分で行えないという場合は、メーカーにご連絡いただければ有料ですが水抜き作業だけのサービスも行っており、業者にもよりますが大体は5000円前後になるでしょう。

5000円は高いけど、凍結してしまった時のことを考えると仕方ないのかな…。

 

ふろ回路の凍結防止策

追い炊き機能などの風呂機能を持つ機種については、当然ふろ回路側の水抜き作業も必要です。

普段は循環ポンプなどにヒーターが搭載されているので、通電していれば特にユーザー側で何らかの処置を行う必要はありませんが、ブレーカーを落とすような場合には前項の画像にあったふろ水抜き栓を開放し、ふろ配管内の水も排出しましょう。

 

ちなみにふろ回路の凍結に関しては、通電さえしていれば機器内で凍ることは滅多にないものの、床下の追い炊き配管で凍ってしまう可能性があります。

機密性が高く、風が入り込んでこない住宅であれば大丈夫かもしれませんが、隙間風などの影響を受けやすいお家だったり、床下が極端に冷えるような構造のお家だと注意が必要です。

 

ちなみにこれを想定して、多くの家庭では追い炊き配管が強化ホースで施工されており、万が一追い炊き配管が凍結しても、破損するというケースは無いと思います。

防止策としては「浴槽内の循環口の少し上くらいまで水を貯めておく」という方法が有効です。これは一定温度以下になるとふろ循環ポンプが動作して水流を作り、ふろ配管内の水を凍らせないようにするという凍結予防が働くからです。

冬時期に「給湯器を使っていないのに、なぜか給湯器が動いているような音がする」という経験をしたことがある人は、恐らくこの凍結予防が原因ではないかと思います。

石油給湯器の標準タイプを使用している場合、ふろポンプの水抜き栓から水を抜いてしまうと、次回使用時に「呼び水」と呼ばれる特殊な作業が必要になるケースがあります。

 

給湯器を使っていないのに音がする原因|これを確認すれば問題解決!

 

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給湯器配管を凍結させてしまった場合の対処法

給湯器配管を凍結させた場合の対処法 凍結破損は高額修理のリスク大

 

屋外の給湯配管はお湯かドライヤーの熱風で復旧可能

「水側の蛇口を開けると水が出て、お湯側の蛇口を開けても何も出てこない」という場合、給湯配管が凍っている可能性があります。

この場合の多くは「給湯器本体が屋外設置であり、屋外の給湯配管のいずれかで凍っている」という可能性が非常に高く、考えられる部分の配管を温めることで復旧する可能性が高いです。

温め方は配管の素材に応じて間違った方法でなければ、お湯をかけてもドライヤーの風を当ててもいいですが、お湯をかける場合は直接かけるのではなくタオルなどを噛ませた方がいいです。そして対処後は「再びそこの箇所が凍らないような処置」を併せて実施しておくことをおすすめします。

 

なんで水側が凍っていないのにお湯側が凍ってるの?水が出るから凍結じゃないと思ってたら、お湯側の配管が凍ってるって言われたよ。普通は温かい方が凍りにくいんじゃないの?

それは「ムペンバ効果」と呼ばれている現象です。アイスクリームを凍らせるとき、低い温度の状態から凍らせるよりも温かい状態から凍らせた方が凍るまでの時間が早いという実験結果が出ています。

じゃあお水が出るからといって「給湯器の凍結じゃない」っていう考えは危険だね。

 

給湯器外部の配管の凍結予防には「巻き付け型ヒーター」がおすすめ


配管が凍結するような地域で、給湯配管をむき出しにしているというケースは考えにくいですが、凍結予防ヒーターを巻かずに保温材のみで使用しているという場合は、ヒーターを巻くのがいいでしょう。

上記のタイプであれば配管に巻き付けてコンセントに差すだけで、一定温度以下になった時のみ自動的に作動してくれます。給湯器配管への凍結予防措置としては、最も一般的なものです。値段も距離に応じて2000円~5000円以下で買えるものが多いので、凍結防止策としてヒーターを使用していないという人はぜひ参考にしてみてください。

 

ちなみに外付けの凍結予防ヒーターは温度にシビアじゃないので「凍るのには程遠くても寒いと感じる気温で動作するような作り」になっています。そのため、電気代を節約する余地があります。

凍結予防ヒーター用の節電器を使えば、本当に寒い時だけ通電するような仕組みが作れるので、節電効果は抜群です。雪国に住んでいる方で、節電に興味があるという方はぜひ導入してみてはいかがでしょうか。


給湯器内部で凍結した場合は要部品交換

給湯器内部で凍結してしまった場合は、何らかの部品が破損している可能性が高いです。どの部品がいくつ破損しているのかについては、実際にプロが診断しないと分かりません。

最悪のケースだと水が通っている部品の全てに破損の可能性がありますが、基本的には「どこかが割れればそこから圧力が逃げるので、全部が壊れるということは考えにくい」と言えます。

 

上手くいけば5000円前後の水メカ1つの破損で済むこともありますし(この場合は出張料と作業料を合わせて2万円弱程度)、もし熱交換器が破損していた場合は高額修理になってしまうでしょう。

あとは修理時は問題ないように見えても、実際には凍結時の負担が掛かっていて、少し時間をおいてから破損してしまうというケースもあります。このようなケースを見越して、最初から大幅に修理をする担当者もいるため、基本的には「凍結破損=想像以上にお金が掛かる修理」と思っていた方がいいかもしれません。

 

凍結時の診断については各担当者の考えによるので、同じ会社内でも見積内容が大きく変わるケースが珍しくありません。
何と言っても「時間差で破損する可能性」が残ってしまうので、これを良しとするかどうかによっても対応が大きく変わるでしょう。

 

凍結の場合は保証対応不可

凍結は水抜きしていれば防げた故障ということになり、新品の給湯器で保証期間内であっても修理の際は有償修理となります。

もちろん保証期間内の給湯器において、別部分に故障があったせいで凍結予防が作動しなかったなどの例であれば保証対象になるはずですが、あまり見ないケースですし、保証期間内とか保証延長に加入しているわけでなければそれも難しいでしょう。

 

ここで注意したいのは「賃貸物件で1人暮らしをしていて、うっかり水抜きを忘れて実家に帰省してしまい、帰ってきたら給湯器が凍結破損していた」というケースです。この場合の修理費用は使用上の不具合と診断され、住人に請求されるということが多く、賃貸だからと甘く見ていると痛い目に遭うことがあります。

詳しくは賃貸契約の際に交わした契約書に明記されていると思いますが、人為的な故障まで面倒を見てくれる人は少ないと思った方が無難です。

なお、万が一「凍結破損した次の日に気温が上がって氷が溶け、水が漏れてそこら中が水浸し」という状況は最悪なので、水抜き作業は忘れずに行いましょう。

 

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最後に

凍結破損はしっかりと予防していれば防げた故障として非常に件数が多く、様々な保証の対象外にもなっているので、実害が極めて大きい故障内容と言えます。

これを防ぐためには「寒くなることが分かっている場合は、事前に水抜き作業を行う事」を徹底することで、凍結の可能性を限りなくゼロにすることができるでしょう。

修理に必要な部品が届くまでにも日数が掛かってしまい、寒い時期にお湯が使えないのもツライと思います。本記事を参考に、凍結に注意を払いながら過ごしていただければ幸いです。