ノーリツの給湯器が出すE100、コロナの給湯器が出すE2は感震装置作動、対震自動消火装置作動のエラーです。耐震自動消火装置は感震器と呼ばれたりもして、一定の呼び名がありません。
いずれにしても給湯器本体が振動を検知すると、燃焼動作中はもちろんのこと動作していなくてもエラーを出して停止するという安全装置です。
部品の名称の通り地震を検知する部品ですが、地震かどうかを判断しているのではなく、単純に機械を揺らせば作動する装置なので、足がぶつかったとか、落雪があったというケースでも作動する可能性があるので注意してください。
今回はE100に注目して、E100を直すのにはどれくらいの修理費用が発生するのか、また「ユーザーの方で応急処置はできるのかどうか」などについて詳しく解説していきますので、最後までお付き合いください。
給湯器博士、今回もよろしくお願いします!
こちらこそよろしくお願いします!
感震装置作動(E100)とは?
このエラーはガス給湯器には無く、石油給湯器にのみ搭載されているエラーです。ガスは基本的にガス会社が管理しているメーターなどにも安全装置が設けられていますが、灯油の場合は灯油タンクなどに安全装置が取り付けられているということはほとんどありません。
ということで、地震が来た時に燃料の供給を止めると言う目的で搭載されているのが、今回のテーマにもなっている感震装置です。感震装置は震度1や震度2程度では作動しないケースも多く、どちらかと言えば「明らかに揺れているときにのみ確実に動作する安全装置」という位置づけとなっています。
給湯器の周りって暖かいから、飼い猫がいる家なんかだと給湯器に飛び乗ったりする猫もいると思うんだけど、そういう時もエラーが出たりするのかな。
猫が飛び乗ったくらいの振動では作動しないことの方が多いです。震度3くらいの地震でも作動しないこともありますが、設置環境によっては簡単にエラーを出すこともあります。
E100を引き起こしている原因
地震を始めとする振動
感震装置そのものは非常に小さな部品で、揺れることによって抵抗値が変化するだけの部品です。地震によって給湯器本体が揺れたのを確認すると、感震装置が作動してE100を出すのと同時に燃焼動作がストップします。
燃焼動作中でなくともエラーは出ますし、もしかするとリモコンの電源を切った状態でもエラー表示されたかもしれません。また、給湯器に足がぶつかってしまった場合など、どんな手段であっても給湯器本体を振動させれば表示されるので「外出から帰ってきたら給湯器のリモコンにE100というエラーが表示されてた!」ということもあります。
ちなみに振動によって感震器が作動してエラーを出した場合、振動が無くなった状態でリモコンの電源を入り切りすれば復帰するので、問題なければそのまま使用して問題ありません。
水漏れ等による感震器そのものの故障、配線の腐食
感震装置は地震を検知しやすいように、ボイラーの底面に取り付けられています。そのため給湯器の内部で水漏れなどがある場合、その水が掛かって壊れてしまうということがよくある部品です。
感震装置そのものが壊れてしまったり、あるいは感震装置と基板を繋いでいるコードが腐食している場合などもE100を表示しますが、この場合は電源を入り切りしても自然復旧することはないので、部品の交換や手直し修理が必要となります。
また屋外設置の給湯器の場合、経年劣化で感心装置の端子部分が腐食してしまい、接触不良を起こしてしまうケースも少なくありません。
E100に対するユーザー側での対処法
- 地震などによる影響を受けていないか、外観を一通り確認する
- 影響がなければリモコンの電源の入り切りで復旧するかを確認し、復旧したら試運転する
- 電源の入り切りで復旧しない場合は、修理依頼をする
まずは第一に地震の影響で給湯器そのものが破損していないかどうか、オイル銅管が破れていたりしないかどうかを確認しましょう。このときチェックするのは外観だけでOKです。もし、給湯器の内部から水や灯油が漏れているようであれば、速やかに修理依頼をするようにしてください。
見た感じで問題が無さそうであればリモコンの電源を入り切りして、給湯器が動作するかどうかを確認します。問題なく動くようであればOKです。もし電源を入り切りしてもE100が復旧しないとか、ちょっと動いてすぐにE100が表示されるという場合は修理が必要なので、直ちに修理依頼することをおすすめします。
「電源の入り切りをした瞬間は復旧するけど、ちょっとしてからエラーが再表示される」というケースもあります。この場合は振動燃焼している可能性があり、無理に使おうとすると二次被害に繋がる可能性があるのですぐに修理依頼してください。
E100を修理・部品交換する際の修理内容と修理費用
E100の点検内容
- ステップ1感震器そのものの故障かどうかを確認
感震器が作動してのE100なのか、感震器が故障してのE100なのかを確認する。
- ステップ2コードの腐食や水漏れがないかを確認
感震器そのものに問題がなければ、感震器周りのコード類に腐食がないかどうかを確認する。あわせて水漏れの有無も確認する。
- ステップ3電源の入り切りを試し、振動燃焼の有無を確認する
リモコン電源の入り切りでE100が復旧するかを確認する。復旧したら試運転し、燃焼状態に異常がないかどうかを確認する。
- ステップ4必要に応じ部品交換をする
不具合の確認できる部分を交換、不具合が確認できなければ各機能点検をする。
感震装置交換の修理費用
- 感震装置:1,000円以下
- 作業料:10,000円以下
- 出張料
感震装置そのものは1,000円以下の安い部品で、多くのサービスマンは車に積載しているので、その日のうちに修理できるケースが多いでしょう。修理の内容も非常に簡単なのですが、作業料は厳密に計算すると10,000円弱となります。
現場が極端に修理しにくいなどのマイナス条件が無ければ、非常に簡単な修理作業で修理できるうえに部品代も安く、規定通りの作業料を請求しないサービスマンもいるかもしれません。
感震装置以外にも問題がある場合
水漏れによって感震装置が故障している場合、あるいは振動燃焼によって感震装置が作動している場合などは、高額修理となる可能性があります。どこから水漏れしているか、振動燃焼の原因がどこにあるかによって、修理の内容や金額が大幅に変わるからです。
特に熱交換器からの水漏れ、熱交換器のすす詰まりが原因の場合だと5万円を超える修理になることがほとんどでしょうから、もし耐用年数近くなっている場合は買い替えを検討するのも1つだと思います。
最後に
E100は電源の入り切りで復旧するようなら大したことがない内容であることが多く、逆に「一時的には復旧するけど頻発する、もしくは復旧しない」という場合は、もしかすると大規模な修理になるかもしれません。
いずれにしても普通に使用できるなら問題の無いことが多い内容ですので、まずは本体の見た目に異常がないかどうかをチェックして動作確認をしてみてください。それでもエラーが出るようなら、直ちに修理依頼することをおすすめします。