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石油給湯器の3万キロと4万キロの燃焼能力の違い|3万キロは不便?

石油給湯器の選び方 3万キロと4万キロの燃焼能力の違い

 

石油給湯器の燃焼能力には大きく分けて2種類が存在します。3万キロカロリーの機種と4万キロカロリーの機種です。

カロリーは熱量の単位ですが、4万キロカロリーの燃焼能力を持つ機種の方が1度に作れるお湯の量が多いので、3人以上の家族の場合は4万キロの機種が推奨されています(あくまでメーカーが推奨しているだけです)。

 

しかし、決して安くない給湯器を購入する時、ちょっとでも安い機種に心が傾く人は少なくないでしょう。「4万キロと3万キロで、そんなに便利さに違いって出るの?」と疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は「石油給湯器の3万キロと4万キロの能力の違い」について解説していきたいと思います。ぜひ、最後までお付き合いください。

 

給湯器博士、今回もよろしくお願いします!

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石油給湯器の3万キロと4万キロの能力の違い

3万キロで不便さを感じる場面とは?

 

3万キロと4万キロを比べて不便さを感じるシチュエーションは「2箇所以上でお湯を使用する時/給湯と追い炊きを同時に行う時」です。

つまり言い方を変えると1人暮らし、あるいは2人暮らしでも生活のペースが違うという場合は、3万キロの不便さを感じることは無いと言えるでしょう。

 

石油給湯器の燃焼能力の目安になっているカロリーは、次の計算式で表すことが出来ます。

給湯能力(kcal/h)=1時間の水量(L)×上昇温度(目標温度-現在水温)

 

熱量は水温にも関係してきます。水の温度が冷たければ冷たいほどパワーが必要で、作るお湯は熱ければ熱いほどパワーが必要です。

石油給湯器ユーザーの多くは北海道・東北地方を始めとする寒い地域に住んでいることが多いかと思いますが、真冬の寒い日にお風呂を沸かしながらキッチンでもお湯を使おうとすると、3万キロの場合はパワー不足を感じてしまうかもしれません。

 

同時にお湯を使うことがなければ不便に感じることはないんだな?

厳密に言うと「ふろ自動機能でお湯張りをする場合」なんかは、一度に200リットル前後のお湯をノンストップで作るので、4万キロの方がお湯張り完了までの時間は早いです。でもお湯張りなんて何かしながら待つ人が多いと思うので、ちょっと遅くなる程度で不便に感じることはないでしょう。

いつも帰りが遅くて、少しでも早くお風呂に入りたいって場合は4万キロの方がいいかもね。

 

メーカーの推奨は3人家族以上は4万キロがおすすめ

 

前項では「複数の蛇口で同時使用、給湯とお風呂の同時使用で不便さを感じるかもしれない」と書きました。

各家庭のライフスタイルにもよって変わりますが、漠然とした基準で言うと「3人以上の家族は4万キロの石油給湯器がおすすめ」というのが、1つの判断基準となっています。

 

例えばお子さんがいる場合、お子さんの年齢にもよるとは言っても、若い人は長風呂の傾向が強く、シャワーも長く使用するケースが多いと思います。そんな時にキッチンでお湯が使えないというのは、ちょっとした歯がゆさを感じてしまうでしょう。

この時、給湯器は一気に作れるお湯の量が限界になり、出湯量を絞るようになります。キッチンでそこまでの水圧を求める場面はないと思いますが、シャワーの水圧は弱くなってしまうので、ちょっとした家族喧嘩になってしまうかも。

 

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石油給湯器の3万キロと4万キロはどっちがおすすめ?

石油給湯器の選び方 3万キロと4万キロはどっちがおすすめ?

 

では「3万キロと4万キロはどっちがおすすめなの?」というユーザー様に、当ブログからアドバイスさせていただきます。当ブログでは、悩むくらいなら4万キロがおすすめというスタンスです。理由は以下の3点からになります。

 

  • そもそも3万キロと4万キロで、そこまで大きな価格差がない
  • もし不便さを感じたら、7年~10年間に渡って付き合っていくことになる
  • 3万キロの機種のバリエーションが少ない

 

この3点について、以下で詳しく解説していきます。

 

石油給湯器の3万キロと4万キロの価格差

 

こちらはノーリツ製の石油給湯器で、どちらも「屋内設置壁掛けの標準タイプ(お湯張り機能がないもの)」です。

  • 3万キロ:285000円
  • 4万キロ:305000円

 

この両者の価格差は、希望小売価格で20000円となってます。「いやいや、20000円の差は大きいでしょ!」と思う方もいらっしゃると思いますが、これはあくまで希望小売価格です。

これを実際に販売、取り付けとなれば、ここから業者による値引きがあって、そこに取付費用や部材費が追加されるというカタチになります。

割引率は施工業者によっても大きく変わってきますが、どんなに高い業者でも40%オフくらいにはしてくれることが多いので、20000円が40%OFFになれば12000円です。

 

これから20万円~30万円の買い物を使用としていて、12000円の差というのはそこまで大きな金額でしょうか?

12000円として見れば高額かもしれません(少なくとも私にとっては大金です)。しかし、この先何年間にも渡って「失敗したなぁ…」と感じてしまうリスクを背負っての12000円は決して安くないと思います。

 

購入した機種とは10年近く付き合っていくことになる

買い物の種類によっては、万が一「安物買いの銭失い」になっても、買い直しするという選択肢があることもあるでしょう。しかし給湯器は一生のうちに何度も購入する物ではありませんし、家庭によっては自家用車よりも買い替える機会が少ない可能性だってあります。

前項で算出した金額差は12000円でしたが、これを6年使用するとすれば1年あたりの金額差は2000円です。実際には6年以上使うという人がほとんどだと思うので、1年あたりの金額差はもっと小さいものになるでしょう。

何も不便さを感じなければそれに越したことは無いのですが、万が一不便に感じてしまった場合、その感情を持ちながら生活していくことになってしまいます。決して安くない買い物で、この先約10年間に渡って生活を共にする機械です。ぜひとも後悔しない選択のためにも4万キロをおすすめします。

 

3万キロは選べる機種が少ない

石油給湯器には、燃焼能力以外にも色々な選択肢が存在します。代表的なものが「お湯張り機能の有無」です。フルオート、オート、標準という3パターンが用意されているので、ここもしっかりと考えないといけません。

石油給湯器はお湯張り機能ありの機種がおすすめ!衛生面でも安心!

 

しかし、ここには大きな注意点があります。それは「この機種の3万キロが欲しい」という希望通りの機種が存在するとは限らないという点です。

例えば「直圧式で屋内壁掛け、お湯張り機能あり、エコタイプの3万キロ」となると、そのような機種が存在しない可能性もあります。主流はあくまで4万キロなので、希望に沿うラインナップが用意されている可能性が高いのは4万キロです。

 

ちなみに逆パターンの「3万キロならあるけど、4万キロにはない」という機種は無いはずです。4万キロ基準で機種選定をして、最後に「これの3万キロ!」という選び方をすると、その機種が無い可能性があるので注意しましょう。

 

3万キロと4万キロの機種変更は問題ない?

これまでの情報を踏まえて「3万キロから4万キロにしたい」、あるいは「4万キロから3万キロにしたい」というユーザー様は、次に「燃焼能力の変更って簡単にできるの?」と疑問に思うのではないかと思います。

結論から言うと燃焼能力の変更は極めて簡単です。燃焼能力は10000キロカロリー違いますが構造自体はほとんど一緒で、使われている部品もほとんど一緒となっており、大きさもほとんど変わりません。

 

メンテナンスのプロが見ても外観だけでは、その石油給湯器が3万キロか4万キロかを判断するのは難しいくらいなので、燃焼能力をアップ・ダウンしたからと言って設置が難しくなるということは一切ないです。

たまに「狭い場所に設置されている3万キロの石油給湯器なんだけど、4万キロにしても同じように設置できる?」と心配するユーザー様もいらっしゃいますが、私が見てきた限りでは問題になったケースは一度もありません。

問題は無いはずですが、実際に施工する業者の人に確認することをおすすめします。

 

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最後に

1人暮らしの場合は、確実に不便に感じるケースは少ないです。ただし2人以上で暮らしている場合は、誰かがお風呂に入っている際中にお湯が使えないという部分で不自由を感じてしまうかもしれません。

万が一不自由を感じてしまったら、この先10年間に渡ってそれを感じ続けなくてはならないので、出来ることなら4万キロを選択することをおすすめします。3万キロでちょっと不便さを感じているユーザー様も、4万キロの石油給湯器に変更することで快適になるかもしれません。

この記事を書いた人
給湯器博士

給湯器を修理・交換する仕事に就いて20年のベテラン作業員。ガス給湯器、石油給湯器、エコキュート、バランス釜、瞬間湯沸かし器などについての経験と知識があり、それを元にブログで情報発信しています。

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