あなたは「スーパーで食材を買ったら別のスーパーの方が驚くほど安かった」というような経験をしたことがありませんか?一般的によく買う食材であっても「安いと思って買ったのに他のお店の方が安かった」なんてことは、日常的に起こり得る問題です。
本記事には以下のようなことが書かれています。
- 給湯器の価格相場、値段相場が分からないという人へのアドバイス
- 給湯器交換で失敗しないための比較検討の重要性
給湯器の場合はそれに関する仕事に携わってでもいない限り、どれくらいの値段なのかを理解している人は極めて少ないと言えるでしょう。食品とは桁違いに金額も高い給湯器において、数%の違いでも最終的な金額の開きはとてつもなく大きなものになります。
そこで今回は、給湯器を交換するうえで重要な価格交渉術の一つ「給湯器交換時の買替交換見積もりの重要性」についてご紹介したいと思います。給湯器を少しでも安くお得に購入したいという人は、ぜひ参考にしてください。
給湯器博士、今回もよろしくお願いします!
こちらこそよろしくお願いします!
給湯器の交換を検討する時にカタログを見るよりも重要なこと
給湯器のカタログから得られる情報は皆無(であることが多い)
そろそろ我が家の給湯器を買い替えようと思うから、カタログを持って来てくれるか?
どうしてもとおっしゃるならお持ちしますが、要点だけを記載した御見積書だけでも十分に事足りると思いますよ?
カタログが見たいんや!はよ持って来んかい!
こちらはノーリツにおける、ガス給湯器のカタログです。一口にガス給湯器と言っても様々な違いがあり、カタログにはそれら何十種類もの給湯器が掲載されています。
- 床置きタイプと壁掛けタイプ
- 屋内タイプと屋外タイプ
- エコタイプと従来タイプ
- フルオートかセミオートかという機能の違い
- 16号、20号、24号という3パターンの燃焼能力の違い
これらの違いをカタログから読み知ることは非常に難しいです。多くのユーザー様は「自分がこれまでに使用していた給湯器の後継機種がどれなのか」を知るのにも、かなりの時間が必要になるでしょう。数時間眺めたとしても、その答えを見つけることができないという人が大多数かもしれません。
もし「今使っている給湯器に対する不満があり、その不満を解消できる機種があるならそっちに興味がある」という場合なら、それを業者に質問して「その機種にした場合と今使っている機種の後継機種に交換した場合」の複数パターンの見積もりを貰うだけで十分です。
カタログ見てるけど、何が何だかさっぱりだ。
「悪い業者に騙されないように…」という意味でカタログを押さえる分には問題ありませんが、カタログに目を通してしまうことで迷いを生じるユーザー様も少なくありません。
カタログはもういいから、今使ってるやつと同程度のやつと、もう1ランク安いやつの見積もりをくれるか?
カタログに掲載されている金額はまやかしの数字である
給湯器はメーカー希望小売価格からの大幅値引きがある
カタログを求める人の心理として「正式な金額を知りたい」という感情が大きいのではないでしょうか。特に価格の相場が分からないものに関しては、カタログというメーカーが提供している正式なものから、おおよその金額を知りたいと考える人も少なくないでしょう。
ちなみにカタログに掲載されている給湯器の本体価格は、一般的には定価(正確に言うとメーカー希望小売価格)と言われる金額です。これは給湯器を購入するうえでほとんど参考にならないどころか、下手をすると「そんなに値引きしてもらえるの!?」という錯覚すら覚えてしまうので、注意しなくてはなりません。
値引き率は業者により、最大80%OFFにもなる
例えばコチラの画像は給湯器カタログの一部分を抜粋したものですが、希望小売価格が掲載されています。しかし実際に交換するとなると、この金額で買うというケースはまず無いでしょう。
普通であればここから大幅に値引きが行われた後、取付費用や必要部材費などが乗っかることになり、その金額が「給湯器を交換する時に必要な額」となります。
本体から値引きしてもらえる金額の大小は給湯器交換業者によって違い、業者によっては80%前後値引きしてくれる業者もいますし、30%程度しか値引いてくれない業者など様々です。
作業料をいくら乗せるか、部材はどこまで新しいものに変えるか等の判断も業者によって変わってくるので、カタログから知ることができる情報はそこまで重要な意味を持たないようにも思います。
例えば定価で35万円の給湯器が取付料込みで30万円だと言われたら、ここしか知らないユーザー様は「お得なのかな?」程度に感じると思います。しかし変にカタログを見てしまっていると「これはお得に違いない!」と惑わされてしまうケースも出てくるでしょう。…本当は80%の値引きをしてくれる業者がいるにも関わらずです。
値引き率は施工業者によって大きく変わりますが、少なくとも「どこも一緒だろう」と即決してしまっては損してもおかしくないくらいの差があります。
危うく罠に嵌まる所だった、危ない危ない。じゃあ我が家の給湯器は8割引きで取付してくれるか?
カタログはインターネット環境があれば見られる
ちなみに給湯器の交換を検討する場合は「修理してもらおうと思って業者を手配したら、買い替えを勧められて検討することにした」というパターンが多いと思います。
そんな時に修理業者の人がカタログを持っているとは限りません。カタログを手配するのに日数がかかる場合もあるので、どうしても見たいという場合はインターネットでカタログを見るのも一つの手段です。
ただし何度も言うように、色々な情報を手に入れ過ぎると無駄に悩んでしまうことが増えるので、カタログを見る必要はないと思います。車や家具などデザインのイメージを重視したいという場合にカタログを参考にするのは分かりますが、給湯器のデザインを重視するという人はそこまでいないでしょう。
給湯器を損せずお得に交換するための裏技
▶給湯器の見積もりでチェックすべきポイント|損をしないために見るべき部分はこれだ!
見積もりは複数社から貰おう
損をしないためには相見積もりが基本
ここまでは「カタログの情報を有益に使うのは難しい」というスタンスで書いてきました。では「少しでもお得に、損をしないで給湯器を交換・買替したいという場合にどうすれば良いのか」の答えですが、それは複数社から見積もりを貰って比較・検討することです。
電化製品などでも複数のお店を回って価格を調べるというのはもはや常識であり、店舗によっては「他店より1円でも高ければ遠慮なくおっしゃってください!(それ以上の値引きをお約束します!)」という店舗も少なくありません。
給湯器の見積もりについても一緒で、同じ型式の給湯器で複数社から見積もりを貰えば「どこの業者が最安値で、どこの業者が価格的に安く買えるか」というのが一目瞭然です。
給湯器交換業者は焦るあなたを見ています
ちなみに給湯器の場合は「使えない時に実生活に影響が出てしまうケース」も珍しくありません。多くのユーザー様は一刻も早くお湯を使えるようにしたいと考えるので、複数社から見積もりを取れるほどの時間的な余裕がないという人も多いでしょう。
こういうユーザー様の焦りを、多くの給湯器交換業者は見抜いています。そして「自分の所以外からも給湯器交換の見積書を貰っている」と気付いた時、下手な金額を提示できないとプレッシャーを感じるはずです。
一刻も早く給湯器を交換したいという時間を優先するのであれば、金額的に少しは高くついても仕方ないような気がします。少しでも安く、少しでもお得に給湯器を購入したいという場合は「複数社から見積もりを貰う」ことは徹底して行うように心掛けてください。
複数社に頼むって言っても、ブッキングしたら気まずいじゃろ?
私たちはそこまで気にしていません。むしろ分かりやすいので大歓迎です。
トータル金額以外に各種金額の明細に注目してみよう
- 給湯器本体の価格(メーカー希望小売価格から大幅値引きあり)
- 取付作業料
- その他必要部材費
- 古い給湯器の処分費など
給湯器の金額には、本体価格の他に「取付作業料、部材費」なども掛かります。給湯器本体だけを購入するのであれば、同じ新品なら安ければ安いほどお得となりますが、取付作業料は安ければ安いほどお得だと思いますか?
技術料やサービス料などの目に見えない部分は、安ければ安いほど何か不安のようなものを感じてしまうものです。「安かろう悪かろう」という言葉があるように、タダほど高いものは無いという経験をしたことがある人も多いはず。
給湯器の交換で失敗したくないという人は、トータルの金額以外にも「本体からの値引き率」に注目してみてください。給湯器本体が新品なら、値引き率は大きければ大きいほどお得になることがほとんどです。
しかし取付作業料や部材費などについては、安ければ安いほど良いとも言い切れない部分があります。トータルの金額だけではなく、各項目の金額に注目してみるのもお得に給湯器を交換するうえで重要な項目の一つです。ぜひ項目ごとの値引き率にも注目してみてください。
スペシャリストは自分の技術を安売りしないことも多いので、目に見えない技術の部分にはお金を払った方が安心できることもあります。美容室やお医者さんなんかがそうですよね。
確かに美容室とかでも、安いからと言ってそこに連れていかれるのは何か嫌だな。腕利きのトリマーにやってもらいたいよ。
給湯器に付けてもらえる付加価値(保証など)をチェックしてみよう
10年保証があるなら実際の価格を逆算できる
新品の給湯器には1年~3年の保証期間が設けられています。それ以外にも取付業者によっては保証延長などを付けてくれることがあるので、ここも併せてチェックするようにしましょう。
各種保証延長はユーザー様自身でメーカーと直接契約することも可能で、延長する年数に応じて5,000円~数万円の費用が掛かります。もし給湯器交換業者から提示された見積もりに10年間の延長保証が付いていたとすれば、それは「本体にかかっているトータル費用はそこから更に数万円安い」というのと同じです。
もし給湯器を交換した時に、保証延長の料金を施工業者が負担してくれるのであれば、それだけで5,000円~数万円お得なので、このあたりの付加要素も忘れずにチェックするようにしてください。
例を出すと「風呂+暖房機能を持つノーリツ製ガス給湯器の10年保証」は、29,040円かかります。この保証を付けて30万円だとすれば、給湯器本体の交換に掛かった費用は実質270,960円ということと同じです。
確かに保証延長にかかるお金がいくらなのかを知っておけば、どれくらいお得になるかも分かるね。
▶ノーリツ製給湯器なら安心プランS(10年)の加入がおすすめ
工事保証が付いている業者なら安心
それから製品の保証延長は、あくまで給湯器本体の問題になるので、できれば「工事保証」も付いていることが望ましいです。給湯器は「設置状況(取付方法)が悪いせいで故障に繋がってしまうケース」も少なくありません。
この場合は例え給湯器が保証期間であっても、メーカーの責任で壊れたわけでは無いので保証されないということになる場合があります。こんな時に役立つのが工事保証です。
適当な業者だとこのあたりの仕組みが分かっておらず、万が一自分たちの仕事に不備があったとしてもあとはメーカーに任せればいいと考える業者も少なくありません。
しかし工事保証を付ける場合は、自分たちが適当な仕事をすると自分たちに降りかかってくるので、これを掲げている業者の多くは「しっかり責任をもって仕事をしてくれる」という傾向が強いように思います。
▶給湯器を安心して長く使うには保証延長だけでは不十分!工事保証の必要性
本記事のまとめ
- 給湯器の交換費用は施工業者によって大きく異なる
- 複数の業者を比較することで、価格的に高い業者・安い業者が明るみになる
- 保証延長、工事保証などの付加価値も含めて総合的に判断しよう
高額な買い物をする時、選択肢一つで決めるという人は少ないと思います。家を建てる時、車を買う時、パソコンを買う時…。色んなカタチで比較検討しませんか?
給湯器は使えない時間が長いと困ってしまうので、心のどこかで「どの業者も似たようなものでしょ」と考え、カタログに表示されているメーカー希望価格よりも安いというだけで満足して即決するというユーザー様も少なくありません。
私なら3日~4日待つだけで数万円安くなるなら迷わずに待つと思います。もちろんユーザー様が納得して購入しているなら問題ありません。問題なのは「業者によって金額差が大きくなるということを知らずに、給湯器の交換を推し進めてしまっているユーザー様が多い」ということです。
給湯器の交換費用は業者によって大きく異なるので、少しでも安く買いたいのであれば色んな角度から複数の業者を比較して検討してみてください。