給湯器を購入する際、多くのユーザー様は施工業者の説明に沿って、自分の意思表示をすると思います。しかし施工業者によっては、細かいところまでしっかりと説明してくれる業者もいれば、自己解釈で説明を省略するという業者も少なくありません。
施工業者があえて説明していない代表的なものに、BL品かそうでないかの違いがあります。これは大したことがない差のように思えて、実は重要な違いだったりもするのです。
- BL品が何なのか
- BL品とそうじゃない給湯器の違い
- BL品を選ぶことのメリット
このページでは、上記のような項目について解説しています。給湯器を交換するならBL品を選択した方が無難かもしれないというテーマで進めていくので、これから給湯器の交換や買い替えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
給湯器博士、今回もよろしくお願いします!
こちらこそよろしくお願いします!
給湯器のBL品とは?
BL品とは、一般財団法人ベターリビングが認定する「品質、性能、アフターサービス等に優れた住宅部品」のことです。通常品にプラスしていくらか支払うことでBL品として認定され、様々な恩恵を得ることができます。
給湯器に関して言えば、製品保証の期間が1年から2年に延長されます。ちなみに給湯器そのものはBL品も通常品も中身は一緒であり、ベターリビングに認可されているからと言って壊れにくくなるとか、製品として優れているということは一切ありません。
あくまでBL認定を受けるために少し多めにお金を支払い、BL認定のシールが貼られている製品を貰えるだけだと思ってください。
ちなみにベターリビングでは、給湯器以外にも様々な製品に対して優良住宅部品の称号を与えています。詳しい業務内容等が知りたいという方は、ベターリビングの公式サイトをご覧ください。
外部リンク▶一般財団法人ベターリビング
中身が一緒なら、わざわざシールを貼ってもらうために高いお金を払う意味が分からないよ。
金額的には2000円とかその程度ですよ。それで保証が1年延びるので、決して損じゃないと思います。それに実はもっと大きな恩恵があるので、それを聞いてから判断してみてください。
意外と知られていないBL品の恩恵とは?
整備用部品と補修用性能部品
ところで「意外と知られていない、BL品の恩恵」って何のこと?
実は給湯器の部品も供給できる期間が決まっていて、通常品だと7年しか供給していないものが、BL品だと10年供給されているんです。
それって通常品だと7年しか使ってないのに、部品が取れなくなるってこと?
絶対にそうだというわけではなく、あくまで「その可能性がある」という程度ですが、あり得ない話ではないです。
給湯器は機種によって搭載されている部品が異なります。中には後継機種で同じ部品が使われていることもありますが、基本的には給湯器が新しい型式になれば中の部品も一新されるというイメージです。
給湯器は7年~10年に渡って使用していくものなので、本体そのものの生産を停止したからと言って、即座に部品の供給を停止するということができません。「最低でも〇〇年は部品を供給しなさい」という決まりがあります。このルールは以下の通りです。
- 整備用部品:製造中止後、11年
- 補修用性能部品:BL品の給湯器は10年、非BL品の給湯器は7年
整備用部品とは?
整備用部品はパッキンや安全装置、点火装置などを指します。上記に整備用部品の一覧表がありますが、これらの部品は給湯器の製造終了後11年間は入手可能です。
給湯器には何十点もの部品が使用されていますが、そのうちの10種類程度が整備用部品に該当します。言葉を選ばずに言うなら「価格的に安い部品」が多いです。
安全装置は給湯器に必要不可欠な部品ではありますが、一点あたりの金額は高くても2,000円~3,000円程度であることが多く、それに対してバーナーやリレー基盤などは20,000円以上になることがほとんどと言っていいでしょう。
補修用性能部品とは?
補修用性能部品は、整備用部品以外の部品のことです。つまり給湯器内部の部品のほとんどが補修用性能部品であり、非BL品の場合はこれを7年しか保有しないと明言していることになります。
BL品も非BL品も製品そのものは一緒のため、BL品の部品を10年間保有するということは、非BL品の部品も10年保有するということになるのですが…。
メーカーの裁量次第では、部品があるにも関わらず非BL品ユーザーには「部品の供給が終了しているため、修理対応が不可能です」と案内できるということになります。
部品があるくせに修理できないって言われたら、なんか嫌な気持ちになるね!
実際には給湯器本体が製造中止になるタイミングも絡んできますから、この被害に直面するユーザー様は非常に少ないと思います。回避したいなら2,000円ほど多めに支払って、BL品を選んでおくのが無難でしょう。
ガス給湯器はBL品が主流、石油給湯器は…
ガス給湯器の場合はBL品が主流となっており、エコジョーズはBL品じゃない製品を探す方が難しいくらいじゃないかという印象です。一方で石油給湯器の場合、エコフィールはともかく従来型となると「ユーザー側が強く希望しない限りは、非BL品になるのではないか」と思われます。
ちなみに非BL品であっても、保証延長に加入することで10年の保証が受けられるようになるので、どうしても不安な場合は保証延長を検討するのもおすすめです。
10年保証となると料金が決して安くはありませんが、満了点検付きの値段なので、万が一故障せずに使えたとしても、最終的な点検によって元を取れる可能性があります。メーカーの人も自分の家の給湯器で加入しているほどのサービスなので、気になる人はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
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本記事のまとめ
- 給湯器にはBL品とそうじゃない物が存在する
- BL品は2,000円程度高いが、通常品と比べて長く部品が取れる(修理できる期間が長い)
- BL品が存在する機種と存在しない機種がある
- BL品じゃなくても保証延長に加入すればOK
BL品じゃなければ7年しか部品を保有しない可能性があるというのは、一般の設備業者は把握していない人がほとんどだと思います。給湯器の修理を専門に請け負っている業者でも、もしかしたら知らない人がいてもおかしくないくらい、意外と知られていない事実です。
実は取扱説明書の後ろの方にも小さく書かれているのですが、一般ユーザー様が取扱説明書を見る頃には、既に給湯器本体を購入してしまっていることでしょう。
給湯器を購入してすぐに、その機種が製造中止にならなければ問題ありませんが、どうしても不安であれば10年の保証延長の加入も併せて検討してみてください。