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給湯器のエラー920、930は中和器の寿命|ユーザーができる対策と修理の内容

給湯器のE920、E930は中和器の寿命 ユーザーができる対策と修理の内容

 

  • 「気が付いたらE920というエラーが点滅していた」
  • 「E920というエラーは出てるけど、お湯は普通に使えている」
  • 「E930というエラーが出て給湯器が動かなくなった」

 

こんな症状の場合は中和器の寿命です。中和器は給湯器の一部(エコジョーズやエコフィール等の高効率給湯器)に搭載されている部品です。

使用時間が一定時間を超えると交換が必要になる部品で、最初のエラー発生時はまだお湯が使えるのに、それを無視しているとお湯が全く使えなくなってしまうという特徴を持っています。

今回は給湯器の不具合の中でも「中和器の寿命警告表示、寿命警告停止」に注目して、症状や対処法について分かりやすく解説していきたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。

 

給湯器博士、今回もよろしくお願いします!

こちらこそよろしくお願いします!

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エコ給湯器に搭載されている中和器とは?

給湯器博士!うちの給湯器が壊れちゃった!

E920っていう番号が点滅してるんだ。おかげで昨日は水浴びだったよ…。

920のエラーは中和器寿命のエラーですね。ちなみにE920なら蛇口を開ければお湯は使えると思いますよ?

本当だ!エラーの点滅はしっぱなしだけど、普通に使える!なんだこれ!やだ!気持ち悪い!いや、お湯は気持ち良い!ところで中和器って何?弱酸性とか弱アルカリ性とかってやつ?

では、まずは簡単に中和器について説明していきましょうか。

 

中和器とは従来型の給湯器には搭載されておらず、エコタイプの給湯器に搭載されている部品の1つです。エコタイプの給湯器は本来であればそのまま捨てていた排気ガスを給湯器内に一旦取り込み、その熱も使ってお湯を作ります。

従来型の排気ガスは火傷するほど熱いのに対し、エコタイプの排気ガスはぬるい温度です。

その熱を再利用する過程で給湯器の中で汗をかいてしまうのですが、これをドレンと言います。ドレンは酸性の液体です。

これは給湯器の外に捨てなければならないのですが、設置状況によって排水管の素材は変わってくるので、もし酸性で溶けてしまうような排水管だった場合に大変なことになってしまうことが予想されます。

そのため給湯器から捨てる時に中和しておくことで、通常の水と同じようにして排水管に流せるようになるというわけです。

 

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E920の時のユーザー側での対処法

給湯器博士!とりあえずエラーは消えないけどお湯は使えてるみたいだから、修理はまだいいや!また調子が悪くなったら連絡するから、その時は早く来てよね。

ちなみにE920は勝手に直るなんてことはありませんし、すぐに使えなくなってしまうと思いますよ?今すぐ中和器を交換することをおすすめしますが…。

なんかエラーがE930に変わって動かなくなっちゃった。

悪いけど一刻も早く来てくれるか?

【ノーリツ】E920:中和器寿命予告)、E930:中和器寿命告知(機器停止)
【リンナイ】E920、E921:中和器寿命警告表示、E930、E931:中和器寿命機能停止

E920とE930は中和器のエラーですが、中和器が故障した時に出るエラーではなく、中和器が寿命を迎えた時に出るエラーです。寿命を管理しているのは燃焼時間なので、ある程度使用したら必ず中和器の交換が必要になります。

もちろん給湯器は燃焼時間をしっかり計測しているので、普段も動きながら「あとどれくらいで中和器が寿命を迎えるか」も計測しているわけですが、そろそろ寿命を迎えるということを教えてくれるエラーがE920というわけです。

 

もちろん故障したわけではないので、エラーを出しながらも普通に使用できます。蛇口をひねればお湯が出ますし、お風呂だって沸かせます。

ただしE920が出ている状況下で一定時間作動させると、今度はエラーの番号がE930へと変わり、今度は全く動作しなくなってしまいます。こうなってしまう前に中和器を交換する必要があるというわけです。

 

給湯器メーカーは親切でエラーを出してくれてても、それに気付かないで騙し騙し使って、急に使えなくなってから焦るって人が多そうだな。

修理依頼をいただいてもその日に伺うということが難しい時もあるので、E920がE930に変わるまでにはかなり余裕を持っているのですが、それでも「使えるなら問題無いか」と考えるお客様が数多くいらっしゃいます。

E920は放置しても良くなるということはありませんので、早急に部品交換するのがおすすめです。

 

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E920、E930を修理・交換する際の修理内容と修理費用

部品代は機種によって大きく変わりますし、症状によっては他の不具合と併発している可能性もあるため、ここで示す修理費用はあくまで1つの目安としてお考え下さい。

E920、E930の点検内容

  1. 中和器の稼働時間を確認する
  2. 中和器を交換し、試運転をする

E920、E930の場合は絶対にないとは言わないまでも、中和器以外の不具合であることは考えにくいです。中和器の稼働時間を見て寿命を迎えていることを確認し、交換するだけの作業となります。

一定の使用量があって初めて交換が必要になる部品なので、早い段階で交換になってしまった場合は、平均的なご家庭よりも稼働時間が多いのかもしれません。

知らないと損をする給湯器の寿命の話|修理か交換かの正しい判断方法

 

中和器の交換費用

  • 中和器:3000円~8000円
  • 作業料:10000円以下
  • 出張料

中和器の交換作業はそこまで大きな手間ではありませんので、1時間もあれば試運転を含めた交換作業が終わるケースがほとんどです。

注意点としてはE920が出てから完全に使用できなくなるまでに時間があるということを見越して、中和器を在庫として所有していないという業者も少なくないと思うので、即日修理には期待しない方がいいかもしれません。

 

エラー番号がE930に変わってから修理依頼をしたのでは、お湯が使えない日に悩まされてしまう可能性が出てくるので、気付いた段階で修理業者に連絡することを強くおすすめします。

 

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エコ給湯器のデメリットに直結するエラーがE920

 

石油給湯器ならエコフィール、ガス給湯器ならエコジョーズと呼ばれているエコタイプの給湯器ですが、エコフィールのデメリットやエコジョーズのデメリットとして挙げられるのが、この中和器のE920やE930です。

エコジョーズのメリット・デメリットまとめ|小学生でも分かるように解説

 

高効率、燃費の良さを追求した結果、どうしても搭載することが必要な部品なのですが、施工業者がユーザー様に説明しなかったというクレーム事案が少なくありません。

最近は特にガス給湯器においてエコタイプが主流になりつつありますが、出始めた当初はメーカーも「一刻も早くエコタイプを普及させたい」という思惑があり、燃費の良さを全面的に押し出してPRしていました。

 

その結果、年数が経過した時に中和器の交換が必要になるという説明を怠った施工業者が出てきて、そのような業者に給湯器の取付工事を依頼してしまったユーザー様が「中和器の交換に納得できない」と怒ってしまうケースが多発してしまったという感じです。

メンテナンスに従事している立場としては納得していただかないことには修理を進めることが出来ないので困ってしまうのですが、もし納得できないという場合は施工店に相談してみることをおすすめします。

 

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最後に

中和器は消耗品に近い立ち位置の部品です。多くのご家庭で5年~8年の間に寿命を迎えてしまうケースが多いと思いますが、エコジョーズやエコフィールを使用している以上は、切っても切れない関係にあります。

エラー920が出た段階で連絡を貰えればそこから部品を発注し、部品が届き次第修理訪問に伺うという流れでも十分に間に合うだけの猶予は設けられているので、騙し騙し使おうとせずに早い段階で修理依頼するようにしてください。